先生、「やっと」と「ついに」って、何が違いますか?
この質問、みなさんわかりますか?
日本語の勉強も2年目になると、思わず「んん?」となる質問が飛び出します。
今日はわたしがリモートワークのひとつとしている「日本語教師」について話します。
※対面授業を行っていた、日本語学校非常勤講師時代のお話です。
わたしが日本語教師になった理由
わたしが「日本語教師になろう!」と思ったのは50歳のとき。
心理学でいうところの「中年の危機」を迎えた頃です。
50歳が近づくと
「人生このままでいいのか?」
「するべきことはないか」
という使命感らしきものがフツフツと湧いてきます。
そんなとき、たまたま目に留まったのが「日本語教師養成講座」の新聞広告。
しかしすぐには動けませんでした。
養成講座、けっこうなお値段なのです・・・。
で、その中途半端な気持ちを一転させたのがこれでした。
こんなわたしでも世界は変えられるんだ!
教育を通じて、家族のために、国のために、懸命に努力する若者たちを応援したい!
と、生意気にも思い、日本語教師の道へと歩み始めたのです。
日本語教えるのって、難しいの?
日本人なんだから、日本語教えるなんて簡単でしょ?
よくこんな質問をちょうだいします。
そのときこんな質問をしてみます。
日本語学習者はよくこんな間違いをしますが、理由を説明できますか?
〇 窓を開けたら、猫がいました。
〇 宝くじが当たったら、家を買います。
〇 窓を開けると、猫がいました。
× 宝くじが当たると、家を買います。
×の文は何がダメなのでしょうか?
日本語教育では、これを体系立てて説明しなければなりません。
(長くなるので説明は割愛します)
このように、日本語教師は、日本人は感覚的に使い分けていることばを、ルールに従って教えていかなければならないのです。
誰でもできる?
私は教育の仕事や、人前で話す類の仕事は経験がありませんでした。
が、なんとかなってます笑
しかしあくまで主観ですが「誰でもできます」とは言い切れません・・・。
とくに日本語学校では、下記のようなことがよくあります。
で、終日ホワイトボードに向かって話すだけになってしまう先生もいます。
そしてやめてしまう・・・。
きつく叱ればいいのでは?
という意見もあるでしょうが、それもどうかなと思います。
だって日本語教師は留学生から見れば「日本の代表のひとり」なのですから。
じゃあ、どうするの???
ひとつコツがあります。
1分でできます。
授業の頭に、とにかく学生たちを注目させること。
ゲームのことでも映画のことでもプライベートな話題でも何でもいいです。
いったんこっちを向かせると、不思議とそのまま集中する傾向があります。
なので授業の準備のほかに、いつもウケる小ネタを用意していました^^;
さらに、こんなこともしていました。
的な動画をYoutubeなどで探して、視聴させていました。
さすがにガリ勉タイプの学生に、
先生、勉強と関係ありません
と言われたこともありますが、大丈夫です。
と、説明します。
これは脳科学的にも証明されているようです。
このように日本語教師は、起こる問題に対して柔軟に、そして創意工夫して対応できる資質が必要なのです。
日本語教師の幸せな瞬間
もちろんウレシイことも楽しいこともたくさんありますよ!
ベトナムから来た留学生たち。
アルバイトが忙しく、授業中はよく居眠りしていましたが笑
しっかりと関係を構築すれば、こんなホームパーティーにも招待されます!
中国人とネパール人の留学生たちと居酒屋へ。
ぜんぜん勉強しない悪ガキたちでしたが、ハートは最高の学生たちでした。
見た目はいびつで、しかも商品シールが貼ったままのトレイに直置きですが・・・。
味は最高でした!
ネパール人留学生が、皮から手作りで作ってくれたネパールの代表的な料理「モモ」です。
卒業式の達成感
先生、ぜんぜん勉強しなくてごめんなさい。
2年間の学習期間を終えると、留学生たちは次の進路へと旅立っていきます。
・大学へ進学
・専門学校へ進学
・就職
・帰国
など、さまざまです。
卒業式は本当に感慨深いものがあります。
勉強しないで居眠りしていた学生、ゲームばかりしていた学生、宿題を忘れてばかりいた学生・・・。
そんな学生たちも、最後は先生に感謝のことばを投げかけてくれます。
と、同時に自分たちの悪いところも反省します。
2年間、悲喜こもごも苦労はしますが、そんな苦労も吹き飛ぶ瞬間です。
日本語教師のひとつの大きな醍醐味ですね。
日本語教師の資格要件
最後になりますが、日本語教師になるには、どんな資格が必要なのでしょうか?
日本語教師求人広告の一部を抜粋します。
とあります。
私が日本語教師を始めた2016年当時は、高卒でも大丈夫でした。
が、数年後には大卒が条件になるという情報を聞いていたので、
・日本語教師420時間養成講座
・産業能率大学(通信教育)
を同時に学んでいました。
もちろん仕事もしていましたし、今思うとかなりハードなスケジュールをこなしていました。
別ブログですが、大学の通信教育の様子を綴っています。
もうひとつ、最近よく聞く採用条件があります。
これは求人要件には記載されていません。
コロナ禍の影響で、授業もオンライン化の導入がすすんでいます。
ZOOMでの授業がスムーズに行えるかどうかを考えたとき、「60歳以降はITにうとい」という固定観念があるようです。
さらに常勤講師(フルタイム)の求人の場合は、もう少し年齢制限が低いかもしれません。
以前、常勤講師になろうかと、数件の日本語学校に応募しましたが、不採用でした。
理由が年齢かどうかは不明ですが・・・。
一昔前は日本語教師と言えば「定年後の時間を活かす仕事」というイメージでしたが、最近は若い先生も増えています。
日本語学校も、とうぜん若い先生を求める傾向にあります。
これから日本語教師を目指す方で、60歳以降の方は、求人情報などをよく見ておいた方がよいかもしれません。
また、求人応募の際には「オンラインでの業務に支障がないスキルがあること」を記載しておきましょう。
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